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掲載日:2014年11月4日
厚肉の場合は円筒の内面、外面、中立面のどれが接続面に接するかで展開図の高さが異なってきます。 一方、展開図の幅はこれらに関係なく中立面の周長となります。 次に外面を青、内面を緑、中立面をマゼンタで示した円筒斜切断の断面図を示します。
ここでは展開図の範囲の説明のため便宜上、2片エルボにした場合のエルボの中心に近い側をエルボ内側、反対側を外側として説明を続けていきます。 次にこの断面図に対応した展開図を示します。
この展開図は断面図の色と同じにしていますのでどの面がどの展開線になっているか良く分かると思います。 また断面図で見たときの円筒の中心線の位置で展開線が交差して上下が入れ替わっているのが分かります。 では先の2片エルボを例に厚肉で特に加工もしないで展開図の高さを調整して薄肉と出口寸法と合わせるためにはどのような展開図にすればよいでしょうか?
まずは断面図でどのような展開線を選択すれば良いか考えてみましょう。 なお接続するもう一つの円筒も同じ形状としますが断面図を分かりやすくするため接続する円筒は薄く表示するようにしています。
加工しないで接続する場合は上図のように円筒の中心線よりエルボ内側では円筒の外面が接続面に接し、エルボ外側では円筒の内面が接続面に接すれば良いことになります。 その展開図は円筒の内面と外面の展開線を組み合わせて次のようになります。
このような展開図で板取りしてやれば無加工で接続しても出口寸法などは薄肉の場合と同じになります。 接続状況を考えてみると全周にわたってほぼ線接触となるのでハンダ付けやロー付けには適していますが線接触なので接続面積が少なく大きな接続強度は得られないと考えられます。
溶接する場合はエルボ外側は円筒の外側に向かって開いているのでこちら側は溶接に適していますがエルボ内側では円筒の内側に向かって開いているので外側からの溶接では強度のある溶接は難しいと考えられます。 エルボ内側の円筒内面も隙間の開いている内側から溶接できれば強度のある溶接が可能となりますが小径の場合は難しい作業となります。
この展開方法では後加工なしに狙った寸法で組み立てていけるので用途としては配管というより配管サポートのような構造物に向いていると考えられます。
(3)へ続く。