CADTOOL FEM8は二次元データを使用したCAEソフトです。 二次元の断面、平面に奥行きや厚みを属性として指定し、2.5次元解析を行います。 そして、形状を作成した後、その形状に作用する外的な要因を設定する「境界条件(荷重条件+支持条件)」を設定することで解析を行います。
境界条件は現実にどのように負荷がかかっているのかをソフトウェア上で再現させるために非常に重要な設定項目であり、また、ノウハウと必要とする操作でもあります。CADTOOL FEM8の場合二次元ということもあり比較的単純ですので、まず本ソフトでしっかりと境界条件を設定できるようになると、三次元CAEソフトウェアへステップアップした際の基礎力となるでしょう。
CADTOOL FEM8は5つの解析モードを備えています。どんな形状をどのような境界条件で解析を行いたいかにより、解析モードを使い分けます。
断面に厚みを属性として持たせ2.5次元的な解析を行うモードです。 このモードでは、通常の荷重条件のほかに、構造物の温度変化による変形や熱応力を加味した解析を行うこともできます(平面熱応力解析モード)。熱応力についてはこちらを参照してください。
CATOOL FEM8の熱応力解析は、以前より存在する「平面応力解析」モードと「回転体応力解析」モードの熱応力対応版となります。
断面図を作成し、その図の属性として材質と板厚(厚み)を設定することで解析対象の構造物が定義されます。
図の「厚み1」「厚み2」のように、断面に対する板厚(厚み)が異なる部分ある形状も、解析対象の構造物として定義できます(詳細は技術情報ページの「複数材料設定の仕様」を参照)。
平面応力/平面熱応力解析モードでは、「全面荷重」と「部分荷重」2種類の荷重条件を設定することができます。 全面荷重は方向は360°どの方向でも指定でき、部分荷重は隙間のある穴にシャフトを入れシャフト側から荷重がかかる状態を再現するとき使用します(詳細は技術情報ページの「平面応力解析の荷重条件設定 」を参照)。
平面応力解析モードでは「全固定」と「法線方向固定」の2種類の支持条件が設定できます。 全固定は、片持ち梁のように完全に固定するもので、法線方向固定は線分の方向には自由になります。
CADTOOL FEM8「平面応力解析」 設定例
板状の部品に垂直の力が加わった場合の解析で、いわゆる「板曲げ」の解析に最適なモードです。「平面応力解析モード」と異なり、荷重をかけるエリアを指定できることが特徴です。平面に板厚を属性として持たせ2.5次元的な解析を行います。条件設定により、板厚が均一でない形状の解析も可能です。
平面図を作成し、その図の属性として材質と板厚(厚み)を設定することで解析対象の構造物が定義されます。
「平面応力解析」モードと同じように、平面に対する板厚が異なる部分がある形状も、解析対象の構造物として定義できます(詳細は「技術情報」を参照してください)。
平面板曲げ解析モードでは、板全面に分布荷重をかける「垂直分布荷重」と、板面の指定された範囲のみ荷重をかける「垂直荷重」を設定することができます。
平面板曲げ解析モードでは、垂直と傾きを固定する「全固定」、垂直方向のみ固定で傾きは自由な「単純支持」、傾きのみ固定で垂直方向は自由な「回転固定」という三種類の支持条件を設定できます。
※ここでいう「垂直」とは板平面に対して上下方向のことです。
CADTOOL FEM8「平面板曲げ解析」 設定例
ある半断面図を回転軸を中心に一回転させてできる形状「回転体」の解析を行うモードです。圧力容器、円筒などの解析に使用可能です。このモードでは、通常の荷重条件の他に、構造物の温度変化による変形や熱応力を加味した解析を行うこともできます(回転体熱応力解析モード)。熱応力についてはこちらを参照してください。
半断面図を作成し、その図形の左端から回転軸までの距離を指定することで、回転体が解析対象物として定義されます(詳細は技術情報ページの「設定できる回転体について 」を参照してください)。
回転体応力/回転体熱応力解析モードでは、指示した要素に垂直に分布荷重をかける「圧力」、方向も指定できる「集中荷重」、さらに回転数を指定し構造物が指定した速度で回転している場合の「遠心力」を荷重条件に設定できます。
要素に対して垂直に分布荷重はかかります。そのため入力値はN/mm^2となります。
集中荷重の場合、荷重値は円周方向の荷重をすべて合計した値で入力します。したがって、「集中荷重の値=圧力*面積」となります。 その他回転体の集中荷重についてはこちらを参照ください。
荷重条件に軸回転数(rpm)を設定することで、遠心力を考慮した解析が行えます。
この場合、材質で「密度(g/cm^3)」を設定する必要があります。
回転体応力/回転体熱応力解析モードでは、半径方向と垂直方向の両方を固定する「全固定」、半径方向を固定し垂直方向は自由の「半径固定」、その逆で垂直方向を固定し半径方向は自由の「垂直固定」、さらに、斜めの線分に適用し法線方向を固定し接線方向は自由の「法線固定」、この種類の支持条件を設定できます。
CADTOOL FEM8「回転体応力解析」 設定例